行政書士事務所の経営

行政書士の「取り扱い業務」が決まる3つのパターン

行政書士の商品といえば、相続だったり、許認可の申請であったり、入管関係であったりするのですが、こういう商品=取り扱い業務はどうやって決めるのか、あるいは、どのように決まっていくのかを考えてみました。

取り扱い業務が決まる3つのパターン

取り扱い業務が決まるパターンは3つあると思っています。

  • やりたい業務を自分で決める
  • お客様からやってと言われて決まる
  • 自分で取り扱い業務を生み出す

では、詳細を見ていきましょう。

やりたい業務を自分で決める

やりたい業務=メジャーな業務

開業準備などをしている人は行政書士になったらどんなことをしたいかあれこれ考えるはずです。行政書士が扱える業務は多いのですが、多くの人がメジャーな業務を取り扱いたいと思っているようです。(「メジャー」の定義は曖昧ですが、僕の感覚です。)

個人的な印象ですが、新会員の方と話をすると「会社設立をしたい!」「外国人の手続きをしたい!」という人が多いように思えます。これは結局行政書士の仕事してこれらの業務の認知度が高いってことなのでしょう。

行政書士が扱える業務は多数あるとは言われていますが、自分がイメージ出来ない業務はどうやったらいいかもわからないし、そもそもそれが何なのかわからないということもあります。そうした業務を「やりたい!」と思うことはありえないわけで、そうすると、会社設立や外国人の手続きといった行政書士業務としてメジャーでイメージできるものを扱いたいとなるのです。

これから開業しようと思っている人が商品を決めようとするとどうしてもメジャーな業務になるのはこうした理由からなのだと思います。

メジャーな業務を取り扱うメリット

メジャーな業務を扱うのにはメリットがあります。

  • パイ自体が大きい
  • 定型化されている
  • 先輩などに相談しやすい

メジャーというだけあって、パイは大きくなります。定期的に受注できる術があれば、仕事に困ることはないでしょう。手続自体も定型化されていることが多く、役所に相談すれば確かな回答が得られます。また、周囲で扱っている行政書士も多いので、聞けば教えてもらえることも多いです。

メジャーな業務を取り扱うデメリット

デメリットもあります。

  • 値崩れをしている
  • ライバルが多い

特に新規参入の場合、値段でしか勝負のできないケースも有り、値崩れをしている業務もあります。また、パイが大きいので参入している行政書士も多く、ライバルが多いです。権威として活躍している行政書士もいたりして、受注していくには何かしらの工夫が必要になることも多いです。

お客様からやってと言われて取り扱う業務

みんなが気づいていないニッチな業務

自分が認識していない業務は、当然、業務として取り扱うことはできません。僕はこれでも10年くらい行政書士をしているのですが、お客様から言われて「それ何ですか?」っていうことは未だによくあります。

ニッチな業務です。

自分が知らないことは他の多くの人も知らないことがあります。自分がやりたい業務とは異なってきますが、こうした業務に取り組んでいくと、独占できてしまう可能性もあります

もちろんメリット、デメリットもあります。

ニッチな業務を取り扱うメリット

ニッチな業務を取り扱うメリットです。

  • 独占できる可能性がある
  • 値崩れしていない(報酬が期待できる)

ニッチな業務を取り扱うデメリット

デメリットにはこれらがあります。

  • そもそも需要がないかも
  • 定型化されていない
  • 扱っている人がいないので孤独
  • 他の人が気づいてしまう恐れがある

今はネットを使えば全国から受注可能です。需要が少しでもあれば、大量に受注できる可能性があります。

また、定型化されていないので、役所に聞いても答えが返ってこなかったり、色々教えてくれる先輩もいません。行政書士同士が集まって話をすると特定の業務の「あるあるトーク」になることがあるのですが、そういう楽しみもありません。

ただ、大きく儲けられる可能性は秘めています。僕が仮にそういう業務を見つけたら、周りには内緒でひっそりとやっていきます。

自分で取り扱い業務を生み出す

特定の業務でも切り口を変えてみたり、行政書士業務ではないコンサル的な分野に挑戦したりすることで新しい商品を生み出すことができます。

行政書士の仕事は結果に差がつかないことも多く(ほとんどの士業はそうです)、価格競争になりがちですが、自分しかできないことであれば、そうした懸念はなくなります。

ただ、大きな組織にするのは不向きな気もします。「その人だから出来る」仕事は人に教えるには時間が掛かるし、教えることでノウハウが流出するリスクも発生するからです。

自分自身をアイコン化してマーケティングしていく方が成功しやすいモデルなので、自分自身を売っていくことになることも多いです。

まとめ

最近は「どういう行政書士になりたいのか?」「どういう事務所を作りたいのか?」ということがあって「どういう業務を取り扱うのか?」が出てくるのかなと思っています。

僕は今月から中小企業大学校で行われている中小企業経営改善計画策定支援研修に参加します。認定支援機関になるとかならないとかも重要なのですが、参加する一番の理由は、「自分で商品を作ってみたいな」と思ったことです。

うちの事務所の方針とは違うこともあるので、ブレてるといえばブレちゃってるんですが、今回は好奇心が勝ってしまいました(別の組織でやってもいいかなと思うし・・・)

昨年から参加させてもらっている勉強会で良いヒントをもらっています。最終的にどうなるかはイメージ出来ている(←これが重要だと思います)ので、足りない知識を補ったり、マーケティングツールを用意しながら準備をしていこうと思っています。

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