行政書士のこと

「食える行政書士を増やす」という意見に感じる違和感

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東京都行政書士会などの仕事をしていると、会のあり方などについていろいろな意見を聞くことがあります。その中で「食える行政書士を増やす」という意見を聞くことがあります。。個人的には意見に少し違和感を感じたので記事にしてみます。

行政書士の認知度アップや職域拡大は望みますが・・・

僕が望んでいることは、行政書士の認知度アップ職域拡大です。

残念なことに、行政書士のことをよく知っていて、何かの時には依頼をしようという人はまだまだ少ないです。多くの人がもっと行政書士について知り、困ったときには行政書士に依頼をしようというように思ってもらえれば、行政書士に対するニーズは増えるでしょうし、仕事量も増えると思います。

もちろん一つ一つの事務所が営業をすることも重要ですが、東京都行政書士会のような大きな組織が認知度アップのために宣伝活動をしてくれれば、それぞれの事務所の営業活動よりも、大きな効果が得られるかもしれません。

例えば、神奈川会では電車の車内映像広告や中吊り広告に出稿したりしていました。一事務所ではなかなか難しいことでも組織であればできるわけです。

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それから、職域の拡大です。今まで行政書士がやってこなかった業務を行政書士の仕事としてもらえれば、行政書士の仕事は増えます。新しく許認可ができたときなどいち早く知らせてくれたり、研修などを行ってもらえれば、新規業務の受注機会も増えるでしょう。

一事務所では情報収集能力にも限界があります。組織として取り組んでいただくことでこちらも大きな効果が得られるはずです。

認知度アップや職域拡大のための、こうした取り組みは、もっともっと、どんどん予算をつぎ込んでやってもらいたいと思うのです。

そうすると「食える行政書士」が増えるのだろうか?

ただ、こうした取り組みによって、食えない行政書士が食える行政書士になるのかというと、それはやっぱり違う気がしています。行政書士全体の仕事量が増えたとしても、食えない行政書士に仕事が回るかと言えば、回らないでしょう。

なぜか・・・?

だって、食えるとか食えないって話は本人の問題ですから。

必死こいて、飛び込み営業したり、知り合いに頭下げたり、事務所のビラ作ったり、マーケティング勉強して実践したり、ブログ作ったり、交流会に参加したり・・・、そういう努力ができるかどうかでしょ。

誰かに「食えるようにしもらう」んじゃなくて、自分で「食えるようになる」って意識があるかどうかなのです。

つまり、「食える行政書士を増やす」っていうのは周りがどうこうできる話じゃないわけです。

考えるべきは「全体のこと」と「自分のこと」にするべき

また、そんな気はないのでしょうが、こうした意見を言っているのを、はたから見ていると、どんだけ上から目線なんだよ、とも思ってしまいます。「自分は違うけど、行政書士は食えない人がたくさんいるから、その人たちのために何かしてあげたい」という趣旨にも聞こえるのです。

仮に自分がくすぶっていたとして、「食える行政書士にしてあげる」なんて言われたら、「余計なお世話だ!」って反感すら覚えると思います。

僕自身の要望は先に書きました。これって行政書士会全体のためになるし、全体の仕事量が増えれば、うちの事務所がますます儲かるっていうのを想定しています。食えない行政書士が食えるようになればいいなんて、これっぽっちも思いません。

食える食えないは本人次第なわけですから、食えるようにしようとしたって、食えない奴は食えないのです。だから「食える行政書士を増やす」という意見には違和感を感じざるを得ないのです。

まとめ

東京会へのクレームで「行政書士で開業したのに全然食えないじゃないか!」っていう人がけっこういるみたいです。会費を滞納している会員の言い訳にも、「仕事も寄越さずに会費だけ取るんじゃない!」っていう人がいます。こういうクレームを受けての発言もあるのかもしれませんが、それでもやっぱり違いますよね。

「食えない」「食えない」と書いていたら、自分の潜在意識に刷り込まれていきそうです。マーフィーの法則が発動しないように、このネタはここまでにしたいと思います。

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